第15回 エンジニアリングフェスティバル
ENGINEERING FESTIVAL Tokushima University−研究成果の公開−


エンジニアリングフェスティバルへようこそ!
〜工学の魅力ある研究をくらしと産業の舞台へ〜

(The Dean of Faculty of Engineering)

   科学技術の振興は、資源の乏しい我が国において重要なキーワードとなっています。近年は、アジアの各国が一様に力をつけ、市場に魅力ある様々な工業製品を供給しています。そのため、私たちにとって製品を選ぶ選択肢はずいぶんと広がりました。一方、我が国は成熟した社会となり、少子高齢化も進んでいわゆる高度成長という用語は、昔日のものとなっています。これから私たちが世界に存在感を発揮していくにはどうしたら良いのか。また、一国の問題に留まらず、より豊かな生活環境をあまねく人々が享受し幸多い生活を謳歌するため、我が国の立ち位置はいかにあるべきか、課題は山積しています。こうした課題に対処するため、文部科学省は「大学改革実行プラン」を策定し、社会変革の核となる大学づくりを推進しています。大学の使命は、教育、研究、社会貢献であり、それらの活動を通じて有用な人材を世の中に送り出すことです。現代の若者の多くにとっては、それぞれの学問分野を体系的かつ実際的に学べる最後の機会が大学や大学院での教育・研究となります。その意味で、大学においては各人の学びの集大成として、真剣に学びに取組み、学習・研究成果の向上に努めねばなりません。


   徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス(STS)研究部では、こうした教育や研究の成果を広く社会に公開し本研究部が行っている研究活動に対する理解を深めていただくとともに、学内や他大学との研究交流、産学官連携の推進を目的として、毎年「エンジニアリングフェスティバル」を開催しております。本年は第15 回目となりますが、産業界へ優れた研究シーズを公開・提供することにより、共同研究、技術移転ならびに製品開発等に結び付けられることを目指しています。


   今年度も、STS 研究部の重点研究、若手研究、一般研究、先端工学教育研究プロジェクト(研究部長裁量プロジェクト)に関しての研究発表に加えて、本学の教育研究支援に関します産学官連携推進部や各センターの紹介、阿波銀行学術・文化振興財団研究助成採択者、日亜化学工業教育研究助成基金「若手教員海外派遣支援事業」採択者等の研究成果、学外からは香川大学工学部及びマレーシアマラッカ技術大学の研究成果のポスター発表と、今後の活躍が期待される若手教員による講演発表会ならびに特別講演を予定しています。特別講演では、徳島大学研究支援・産官学連携センターの藤井章夫客員教授にご講演いただく予定です。LED 技術関連について興味深く有益なご講演がいただけるものと期待しております。


   本フェスティバルでは、最先端の研究内容と成果を直前のショットガンプレゼンテーションとともに、ポスターを用いて分かりやすく説明していただきます。このプレゼンテーションを通じたシーズ公開が、企業・他機関等との連携研究、共同研究、実用化研究に結びつき、社会に役立つ有用な成果に発展することを期待しています。本学の教職員、学生、大学院生はもとより、学内外連携機関や企業等から多数の皆様のご参加をお待ち申し上げております。


  

大学院ソシオテクノサイエンス研究部長
河 村 保 彦