第13回 エンジニアリングフェスティバル
ENGINEERING FESTIVAL The University of Tokushima−研究成果の公開−


未来を創るエンジニアリングフェスティバル
−最新研究成果の公開と連携研究開発の推進へ−

(The Dean of Faculty of Engineering)

   資源の乏しい我が国において、科学技術・技術革新を積極的に推進し、人類社会の持続的発展に貢献し、豊かな生活を実現していこうとする科学技術立国の考えに基づき最先端科学技術への飽くなき挑戦が続いています。この技術創造立国を支える人材を育てる工学部・大学院教員は、世界で認められる研究、技術革新をもたらす研究、地域企業を育てる研究、萌芽的な研究等に精力的に取り組み、この研究力を基盤とした教育力、社会・国際貢献力を向上させる必要があります。

   この「エンジニアリングフェスティバル」は、大学院ソシオテクノサイエンス(STS)研究部における数多くの優れた研究成果を学内だけでなく広く地域社会へ公開、発信し情報交換する場であり、また、産業界へ研究シーズを提供することにより、共同研究、技術移転ならびに製品開発等に結び付けられることを目指して開催しているもので、今年で13回目を迎えます。

   さて、文部科学省は激しく変化する社会における大学機能の再構築のため国立大学各学部との間でミッションの再定義を進めており、今年度前半にも各国立大学工学系学部のミッションの再定義をとりまとめ、これに基づいて大学改革実行プランを策定実行していくとしています。このミッションの再定義に係る、本工学部・大学院の特色・強み・社会的役割の中の社会貢献・地域貢献について「教員一人当たりの受託研究・共同研究の受け入れの高い実績を活かし、今後とも我が国の産業を支える実践的な研究等の取組を一層推進する。」との文言が入れられる予定になっており、受託研究・共同研究の実績が高いことが、STS研究部の大きな特徴の一つとなっています。今後とも本フェスティバル等を通して連携研究・共同研究をさらに推進していかなければなりません。

   研究面に関わる話題としまして、これまでセンター棟がなく、研究者および研究設備が分散していたフロンティア研究センターに関して、これまでの実績が認められ念願のセンター棟の新営が、平成24年度補正予算で認められました。新棟は5階建て約3000m2の規模で、工学部キャンパス西北部に建設中で来年3月竣工の予定です。センター棟内には、STS研究部内外との共同研究スペースができ、光ナノテクノロジー研究、医工連携研究、資源循環研究の各分野を中心にSTS研究部の柱となるべき連携研究を強力に推進する体制が整いつつあります。

   今年度の「エンジニアリングフェスティバル」は、昨年に引き続き、STS研究部における重点研究、若手研究、一般研究、研究部長裁量プロジェクト研究に関しての研究発表に加えて阿波銀行学術・文化振興財団研究助成に採択された研究成果、工学部長表彰で受賞された方の研究内容を紹介していただきます。また、連携研究の推進に向けて他機関(香川大学工学部、且l国総合研究所)からの研究成果も加えますと、総計43件の発表となります。さらに、研究活性化のための講演会も開催されますし、本フェスティバルにおける研究成果発表が共同研究に繋がった連携研究や若手研究発表者の優秀者に研究支援経費が助成されるようになっており、活発なフェスティバルになると期待されます。

  最先端の内容ではありますが、実際の成果物の展示も含めて研究成果を分かりやすく説明していただきます。本フェスティバルによるシーズ公開が企業・他機関等との連携研究、共同研究、実用化研究に結びつき、社会に役立つ有用な成果に発展することを期待しています。本学の教職員、学生、大学院生、連携機関、学外企業等からの大勢の皆様の参加をお願いいたします。

  

大学院ソシオテクノサイエンス研究部長
  福 富 純 一 郎