第10回 エンジニアリングフェスティバル
ENGINEERING FESTIVAL The University of Tokushima−研究成果の公開−


ー10年を迎えた「エンジニアリングフェスティバル」ー
研究成果の発信、研究交流の場から大型融合連携研究へ

(The Dean of Faculty of Engineering)

    「エンジニアリングフェスティバル」は、大学院ソシオテクノサイエンス(STS)研究部にお ける数多くの優れた研究成果を広く地域・社会に公開し、研究活動に対して理解を深めていた だくと共に、産業界へ研究シーズの提供を行い、共同研究、技術移転ならびに製品開発等を通 じて社会還元を目指して平成13年に発足し、今年で記念すべき第10回を迎えます。これまで の間、平成18年に大学院重点化によりSTS 研究部が研究活動の拠点として改組され、学科単 位から研究部門単位で融合的な研究進展を目指して、5つの研究部門に集約した組織構成とな りました。新しい部門体制後の学術論文に国際会議論文を加えた研究業績は7ページに示しま すように急増しておりますが、科学研究費補助金、共同研究、受託研究などの外部資金は減少 傾向にあります。大学の研究力の指標である科学研究費補助金の一層の獲得を目指すことはも とより、共同研究、受託研究を増加させる上でも「エンジニアリングフェスティバル」の役割 はますます重要になってくるものと考えます。

   大学における研究は、基礎研究から実用化研究に至るまで幅広く、基礎研究は大学における 研究活動で極めて重要な役割を担っていますが、国立大学の法人化後、社会に還元できる研究 成果が一段と求められるようになっています。限られた研究人材、研究経費の中でSTS 研究部 を飛躍発展させるためには、研究力を集約させた融合連携研究が求められ、STS 研究部では、 各分野で重点研究を設定して取り組むことになりました。また、STS 研究部全体としては、こ れまで日亜寄付講座を含むフロンティア研究センターを中心に重点3分野の研究を推進して大 きな研究成果を挙げていますが、更なる飛躍発展に向けて、国家成長戦略としてのグリーンイ ノベーションとライフイノベーションを柱として、前者を産学連携研究、後者を医工連携研究 として戦略的に取り組むことになりました。

   「エンジニアリングフェスティバル」は、STS 研究部における各研究グループ間での研究連 携の推進や、部局間連携、大学間連携、研究所との連携など、研究横断的な融合研究の推進に 向けての活動にも極めて重要な役割を担っています。今年度は、STS 研究部の各部門ピック アップした9件の「重点研究テーマ」と16件の「一般テーマ」、9件の「プロジェクト研究 テーマ」に、フロンティア研究センターおよび創成学習開発センターからの各研究テーマを併 せて36件の発表を行うと共に、学内連携として大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス 研究部から2件、大学間学部連携として香川大学工学部から5件と且l国総合研究所から民間 研究機関連携1件の各研究テーマを併せて8件の研究発表と研究シーズのマッチングや産学官 連携活動紹介を含め、総計46件のポスター発表を行います。

   本学の教員、技術職員や院生、研究連携に向けての外部からの教員や技術者、研究シーズの 実用化に向けての企業の研究者等、大勢の皆様のご参加をお願いしますとともに、研究成果、 研究シーズに関しての活発な情報交換が持たれることを祈念しております。

    今後、エンジニアリングフェスティバルに加えて、共通講義棟の1階に各分野で特筆できる 研究成果を常時ポスター展示しますので、研究交流の場として積極的に活用していただければ と思います。

  

大学院ソシオテクノサイエンス研究部長
  大 西 徳 生